コンビニエンスストアや理髪店・美容室、コーヒーショップやガソリンスタンドなど、インターネットがこれほど発展した現代においても、身の周りの様々な「店舗」が私たちの生活を支えています。普段から生活圏内で当たり前のように目にする店舗、日本全体で見ると一体どれだけ存在するのでしょう?ヒントとなる各種のデータを元に、算出してみました。
店舗の種類
一言で「店舗」といっても、その運営モデルは大きく下記の3つに分類されます。
- チェーン店舗
- フランチャイズ店舗
- 個人経営店舗
チェーン店舗
単一の企業もしくはグループによって所有・運営される、複数の店舗で構成された小売業態です。共通のブランド、経営方針、商品構成、販売促進戦略のもと、集中化された管理体制で運営され、大量仕入れによるコスト削減や、標準化されたオペレーションによる効率化、広範なマーケティングによるブランド認知度の向上といったメリットがあります。日本では特にコンビニエンスストア、ファミリーレストラン、ハンバーガーチェーンが数多くの店舗を展開しています。
フランチャイズ店舗
本部(フランチャイザー)が開発したビジネスモデルやブランド、商品、サービスなどを、加盟店(フランチャイジー)が一定の対価を支払うことで利用し、独立して運営する店舗です。加盟店にとっては、確立されたブランドビジネスモデルを活用できる点、本部にとっては、少ない投資で広範囲に事業展開できる点がメリットです。日本ではコンビニエンスストア、飲食店、学習塾など、幅広く展開されています。
個人経営店舗
上記の2種にはあてはまらない、個人または中小企業によって所有・運営される単一の小売店舗を指します。オーナーの裁量によって経営が行われることが特徴で、地域社会との密接な関係を築きやすく、顧客のニーズに合わせた柔軟な品揃えやサービスが強みです。個人経営の商店、地域の専門店、中小規模の小売店など、多様な形態で見られます。
日本の店舗数を示す様々なデータをご紹介
データ①:
11店舗以上運営または年商10億円以上の法人が運営する小売店は約1.1万店舗
日本チェーンストア協会(JCSA)の会員データです。
会員者数:54社 店舗数:10,920店(2024年3月時点)
※JCSAの会員資格:11店舗以上または年商10億円以上の小売業法人
経済産業省の2023年商業動態統計によると、小売業全体で店舗数が3年連続増加している中、特にスーパーマーケットとドラッグストアの店舗が増加、逆に百貨店は減少、コンビニエンスストアは微減となっています。
データ②:
国内のフランチャイズ店舗は約25万店舗.1万店舗
日本フランチャイズチェーン協会による、2020年度「JFAフランチャイズチェーン統計調査」の結果です。
業種 | 店舗数 |
---|---|
小売業 | 108,256 |
外食業 | 52,777 |
サービス業 | 92,984 |
2020年度の直営店と加盟店を合計した国内の総店舗数は254,017店で、前年比は3.4%の減少でした。小売業、外食業、サービス業のそれぞれでも、店舗数は減少しています。
データ③:
全小売店約90万店中、法人経営は約64%、個人経営は約36%
日本フランチャイズチェーン協会による、2020年度「JFAフランチャイズチェーン統計調査」の結果です。
小売業事業所数 | 880,031 |
---|---|
└ 内小売業法人事業所数 | 577,842 |
└ 内小売業個人事業所数 | 302,189 |
近年、小売業界において法人による多店舗展開やチェーン化がさらに進んでいる傾向が見てとれます。小売業全体の効率化・標準化・集約化の流れの一環とも言えるでしょう。
NBSが予測する日本の店舗数
ここまで、国の調査や業界団体の情報をもとにした統計データをご紹介しました。弊社NBSでは、75万社の企業公式サイトから収集した企業データベース「Beegleデータ」を構築しています。ここからはNBS独自の視点から、「リスト化可能な店舗経営法人の数」を試算していきます。
位置情報サービス「ロケスマ」によれば、日本全国に存在する法人営業のチェーンブランドによる店舗は約110万店にのぼります。ただし、この数字にはATMやコインパーキングなど、無人の施設や実店舗とは呼びにくい業態も含まれます。そこで、ここからロケスマの業種カテゴリー情報をもとにフィルタリングしたところ、実質的な「店舗」としてカウントできる件数は約100万件程度と推定されます。
一方、NBSの企業情報データベース「Beegleデータ」の中で、インボイス登録番号をもとに店舗と法人の関係性を分析したところ、約37万店舗が、約4.5万法人によって運営されていることがわかりました。これは、1法人あたり平均で約8店舗を運営している計算になります。
この傾向をロケスマの数値から試算した100万店舗全体にあてはめて試算すると、100万店舗÷8店舗=12.5万社となり、日本全国でおよそ12.5万社の「店舗運営法人」が存在している可能性があると考えられます。
さらに、Beegleデータ内で確認できた4.5万の店舗運営法人のうち、約1.5万社(全体の約33%)が自社のホームページ(HP)を保有していました。予測される12.5万社の店舗運営法人のうち、同じ割合でホームページを保有している企業が存在すると仮定し、情報が収集できるとすれば、12.5万社×33%=約3~4万社分の「店舗運営法人リスト」が作成可能と推測されます。

営業アプローチにはNBSの「店舗・運営企業データ」を活用しよう!
一言で「店舗」と言っても、その業態は非常に多岐に渡り、運営モデルも様々です。毎日、日本のどこかしこで開店したり閉店したりと目まぐるしく数が変わっていく中で、日本全国にどれだけの店舗があるのか、正確な数字を把握している人はほとんどいません。それでも、店舗やそれを運営する企業に営業アプローチしたい人にとって、全体像をつかむことは非常に重要です。
弊社ではBeegleデータをもとに、店舗やチェーンブランドを運営する企業を店舗運営階層で整理したデータベースを提供しています。情報は2ヵ月に一度更新するため、鮮度の良い情報が手に入ります。今後さらにデータの網羅性が高まれば、今回ご紹介したような約3~4万社の店舗運営企業リストの作成も現実的になります。営業先リストの構築や市場調査、販路開拓にぜひご活用ください。
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