BtoBにおいても、デジタルマーケティングに取り組んでいる企業は多いです。名刺を放置せずデータ化して一括管理、SFAやMA等を活用して、日々のマーケティング施策や営業活動を行う…と聞くと、デジタルマーケティングとしては理想的な流れに思えます。実際に、そのように取り組んでいる企業も多いでしょう。
ただその流れ、本当に効率的でしょうか?
この記事でご紹介したいのは、弊社の考える”本当に効率的な”デジタルマーケティングについてです。先にざっくりご説明すると、「市場やハウスリストから、受注確度の高いリード(企業)を見つけてアプローチしましょう」というものです。
現状の営業・マーケティング活動の課題と思われる部分から、順にご説明していきます。
保有している大量のリード、本当に必要なのはどのくらい?
一般消費者向けのBtoCビジネスにおけるマーケティングは、メディアや、個別のテレマーケティングを利用して、たくさんのお客様にリーチします。いわゆるマスマーケティングですね。
一方、法人企業向けのBtoBビジネスでは、ターゲットとなるお客様=企業がBtoCよりも少ない、購入までの検討期間が長い、購入の意思決定も複数人に渡る等、BtoCとは大きく異なる点が多く、故にマーケティング施策も異なります。
ところがBtoBにおいても、BtoCと同じように、大量の見込み顧客データ(リード)を集めようとする傾向があり、BtoBでも、1万~10万件もの件数を保有している企業が多くなっています。
例えば下記のようなルートで、皆さんもリードを獲得しているのではないでしょうか。
- 展示会、セミナーで集めた名刺データ
- 営業が保有している名刺データ
- 広告、資料請求などで集めたリードデータ
- 自社WEBサイトへのお問合せのリードデータ 等
ただこの中でも、それぞれのリードがリードとなり得た背景は多岐に渡ります。
- 導入検討中
- 商品・サービスの比較等、資料を収集中
- テーマに関心がある、知識の習得
- 競合調査 等
商談に繋げられそうな、営業・マーケティングが欲しいリードは、上記でいうところの1番目、2番目ですよね。
そのことを踏まえると、
- 実際に受注できるリードはこの中の何割ほどでしょうか?
- 受注できる見込みのあるリードは、この中の何割ほどでしょうか?
100%契約に繋げられる!という企業はまずないと思います。たいていは、受注となるのは保有リードのうちの1~3%、受注が見込めるのも、全リードの1割、多くても2割といったところではないでしょうか。
つまりは、残りの8~9割ものリードは、契約の見込みが低い、もしくは契約の可能性が極めて低いリードということになります。
そのリードナーチャリング、本当に意味がある?
ほとんどのリードが受注につながらないと言っても、冒頭で触れたようなデジタルマーケティングを行っている企業の多くは、下図のような流れで日々施策を行っているのではないでしょうか。
様々な手段で獲得したリードのうち、一部の商談、受注へつなげられたリードを除き、ほとんどはハウスリストに蓄積していきます。
それらのリードの次の商談機会を逃さないよう、リードナーチャリング(顧客育成)を実施。メールマーケティングやキャンペーンの告知、インサイドセールスによるテレアポ等の施策などが代表的な施策でしょうか。結果、ホットリードとなったものは商談へ。ホットリードにはならなかったリード、商談したものの受注には至らなかったリードは、ハウスリストへ戻り、次の商談機会を待つためにリードナーチャリングの対象に戻ります。
膨大なリードを保有していて、SFAやMA、CRMといったツールを活用し、手動で行わずとも効率的にリードの抽出やメールマーケティング、スコアリングができている、という企業も、今や多いことでしょう。
ここで改めて触れますが、リードの8~9割は受注の見込みが低いのです。その8~9割のリード全体に、何度もリードナーチャリングを行っているということになります。
- 果たして本当に効率的と言えるのでしょうか?
- MA等のツールや、マーケティング担当者への投資金額に見合った成果を上げていると言えるのでしょうか?
リードの状況は日々変化するので、見込み顧客の担当者の検討フェースが上がれば、ホットリードとなり得ますね。そのタイミングは、リードナーチャリングで拾うことができる場合も多いでしょう。ただそのように、何かしらアクションがあるのを待ち続けてリードナーチャリングを続けるだけよりも、8~9割の中から、受注確度の高いリードを抽出できれば良いと思いませんか?
担当者の状況と共に、企業の情報も日々変化しています。年間で約30%もの企業属性(社名、住所、URL等)が変化していますが、同様に、新製品のリリースや、新たな取り組みなど、企業活動に関しても変化が起きています。
そういった変化をきっかけに受注確度が高くなったリードが、ハウスリストの中から見つけられれば、よりABMを意識した確実な営業・マーケティングのアプローチが可能になるのです。担当者からのアクションを待たずとも、こちらから働きかけることができますね。
市場に受注確度の高い企業がどのくらいあるか、知っていますか?
ここで、一歩俯瞰して考えてみてください。あなたの会社の保有リードは、ターゲットのどのくらいを網羅できているのでしょう?
経済センサスのデータによると、日本には約163万の会社があるとされています。うち、従業員5人未満の企業は約91万社とされるため、5人以上の規模の企業で見ても、日本に約72万社存在することになります。
その中から、仮にターゲットを業種と企業規模で絞り込むとします。結果、5万社が抽出できたとしましょう。
仮に1万件のハウスリストがあるとして、絞り込んだ企業と照らし合わせてみた結果、5,000社がハウスリストに含まれていたとすると、ターゲットとなる企業はハウスリストの10%にしかなりません。残りの90%にあたる、4.5万社もの受注確度が高い企業が、ハウスリストには含まれていないことになります。
仮定の話をしましたが、実際にターゲット企業全てをハウスリストで保有しているという企業はまずいませんよね。あなたの会社でも、一部をハウスリストで網羅しているという状況でしょう。
このように、ハウスリストで網羅していない部分でも、受注確度の高い企業は存在します。受注確度の低いリードが8~9割を占めるハウスリストにあれこれリードナーチャリングを行うことも有効でしょうが、市場全体から受注確度の高いリードを抽出して営業・マーケティングを行う方が、より効率的に受注に繋げられそうと思いませんか?
まだリードとして情報を保有していない、未アプローチの新規顧客へのアタック方法として、テレマーケティングを実施する企業も多いことと思います。アポイントを1件獲得するための価格は、3~5万円が相場といったところでしょう。そこから受注にまで至るのは、全アポイントの1割にも満たない場合がほとんどです。そこから考えると、1件の受注の獲得に、30~50万円の費用がかかる計算になります。
架電する対象を全く絞り込まないテレマーケティングはほぼないと思いますが、例えば単純に業種や地域で絞り込んだ新規リストよりも、より細かな分析で抽出した受注確度の高いリストにテレマーケティングを行った方が、アポイントにつながる可能性は高くなりそうです。1受注あたり30~50万円の費用も、きっともっと抑えられます。
受注できそうな会社ってどうしてわかるの?
ここまでの通り、市場やハウスリストの中から受注できそうな会社が絞り込めたら、日々の営業・マーケティング活動はより効率的になります。大量のリードの管理や、テレマーケティングの無駄打ちがなくなるでしょう。
「そうは言っても、わが社はちゃんとターゲットがわかっている。業種と企業規模でアプローチ対象を絞り込んでいる。」という会社も多いことと思います。ただ、受注できそうな会社の特徴は、業種と規模だけでしょうか?その条件だけでは、対象が多すぎませんか?より細かく、確実なターゲットの条件がわかれば良いと思いませんか?
当社のサービスでは、この「より細かく確実なターゲット分析と抽出」を可能にします。AI分析を活用して、受注見込みのスコア(点数)をつけるので、「ぱぱっとAIスコア」というサービス名です。
「ぱぱっとAIスコア」では、あなたの会社が実際に受注した企業のデータをAI分析して、あなたの会社が受注できそうな“企業モデル“を作成します。
単純に業種や企業規模だけでなく、「どんな企業活動を行っているか」や「取り扱う製品・サービスはどんなものか」といった細かな部分まで分析するので、より精度の高いモデルができるのです。
「どんな企業活動を行っているか」は、弊社の活動タグ(75種類)により、例えば下記のような、細かな特徴づけができます。
- 通信・ITに関連した展示会への出展実績がある
- スタートアップ関連サイトに掲載されている
- 官公庁または自治体と取引している
「取り扱う製品・サービスはどんなものか」は弊社の分野タグ(135種類)により、業種をもう1段階深く分類した、例えば下記の様な特徴づけができます。
- 製造業:工作機械、加工機械、半導体製造装置
- 建設、建築:都市開発
- 制作・開発:予約管理システム
受注できそうな企業モデルを元に、あなたの会社で保有しているハウスリスト、もしくはまだ未アプローチの市場の企業全てに、受注できそうなスコア値をつけます。スコア値のより高い企業にアプローチすることで、現状よりもはるかに効率的な営業・マーケティング活動が可能になるはずです。
今のマーケティング方法に行き詰まりを感じている方、もっと効率的に営業成果を上げたい方、一度お試しになりませんか?